今回の機材を紹介。
- フレーム:KUALIS Ti ロード
- コンポ:Campagnolo 11s 機械式 Chorus(2012ぐらい?モデル)+クランクのみPower2Max Rotor 3D 172.5mm RIDEA楕円チェーンリング52/36T
- ホイール:Ksyrium Pro Carbon(非ワイドリム・非UST)
- タイヤ、チューブ:Panaracer Massa 2601T(700 26C) + R-Air
- サドル:Bontrager Affinity Carbbon(廃盤)
- シートポスト:Bontrager XXX 27.2mm 20mmオフセット
- バッグ類:モンベルフロントバッグ + Apoidura Expedition Top Tube Pack(1L)+ Ortlieb サドルバッグ2 (Lサイズ)
- ボトルゲージ3つ:ボトル2本 + ダウンチューブ裏にツールボトル
- フロントライト:Cateye VOLT800 2本
- リアライト:Cateye Omni5 + Omni3 Auto
自分的には奇をてらったところが全く無いオーソドックスなチョイス。
カーボンロード(Trek MadoneもしくはTime ZXRX)で行こうかとも思ったが、せっかくなら世界に1台しかないオーダーフレームで走りたいと思ったのと、PBPのコースプロフィール的に登りが大したことないので重量はさほど気にする必要がないと判断し、KUALISをチョイスした。バッグ類を除いた状態で、だいたい8kg強なので無茶苦茶重いというほどのことはない。
足回りのチョイスが一番頭を悩ませたところ。
去年・今年の国内ブルベは巡航速度を意識してCosmic Carbon Pro SL USTで走っており、また通勤もこのホイールをメインで使っていたのだが、何度かトラブルに会いネガティブな部分が見えてきたので直前になってKsyriumを選択した。
コスカボのConsとして挙げられるのは、まずパンク時のタイヤ再装着がしづらい点。UST系のホイール全般なのだと思うけど、TLに合わせてリム外径が大きめなため、非USTに比べると明らかにタイヤの装着に時間がかかる。自分の拙い技術ではタイヤレバーなしに装着することができないため、チューブ噛み込み・損傷のリスクも増す。
特に、当初使用を検討していたコンチネンタルのGP5000との相性は最悪で、WOタイヤですらかなり努力しないと嵌められない。パンクの対応で無駄な体力と時間を消耗したくなかったし、最悪手持ちのチューブ品切れによるDNFや時間ロスを防ぎたかった。
もう一つは乗り心地。
コスカボはTLを使えば極上だが、WO同士で比較すると、外周がミドルハイトで硬さが抑えられたKsyriumの方が優れていると判断した。1200kmもの長丁場なので少しでも体へのダメージが少ない方を選んだ。
またタイヤも上記の通り、嵌めにくい印象のあるGP5000をやめ、PanaracerのMassa 2601にした。三船雅彦氏が前回、前々回と2回続けてノーパンクで走っている信頼性のある銘柄だし、そもそもPanaracerのタイヤが好きだということもあってこれにした。
GP5000は数本使ったのだが、サイドカットしたり、トレッド面がざっくり切れるというトラブルが相次ぎ全滅。走行性能はともかくも、耐パンク性において信頼性を損なったという理由もある。
4)PBP初日:2019/8/18(Sun)18:00〜8/19(Mon) Rambouillet (0km)〜Loudeac (450km)
前日から降り続いた雨は、出発日当日のお昼ごろには上がった。その後の予報は大会期間中を通して、曇り〜晴れと荒天はなさそうだったので、フェンダーは装着せずに出走することにした。
Montparnasse駅15時過ぎの電車に乗り15時45分頃にRambouilletに到着。
徒歩で会場入りし、昨日車検を受けた大型テントで出発前の夕食をいただく。前回まではビュッフェ形式で、かなり早めに来ないと食事が残っていないと聞いていたので半ばあきらめていたのだが、今回から定食式になっており申し込んだ全員にちゃんと割り当てられたようだ。電車の中からひたすらバゲットを食べまくっていて、結構お腹はいっぱいだったが、ここから数時間は補給がない可能性を考え、完食しておいた。
そうこうしているとあっという間に自分の出走時間が近づいた。
18時、家族に見送られながら、1200kmのまだ未体験の壮大な旅へのスタートを切った。
走り出して100kmはほぼ平坦と言って差し支えない程度のアップダウンで、「な〜んだ、PBPってアップダウンが永遠に続く感じって聞いてたけど、この程度かよwww」って余裕をカマしまくっていた。苦手な平坦なのでイタリア人やらベルギー人やらが積極的に先頭を引く大集団に乗っかっていた。ペースは30km/hr強ぐらいだろう。
100km過ぎに8%ぐらいの峠があり、そこでいくらか篩がかかって、最初のwelcome pointであるMortagne-Au-Percheに到着。
もうすでにお腹が減っていたので休憩所で食事をいただく。事前情報では塩気の足りない茹ですぎた小粒なマカロニみたいなパスタを食べないといけないと思っていたのだが、バターライスみたいなご飯の選択肢もあったので、これをチョイス。チキンのきのこクリーム煮込みみたいなのをかけてもらった。これは大会を通して感じたことだが、少なくとも私にとっては塩気が足りないと感じたことは一度もなく、味についても特別美味しいわけではないが不味いと感じたこともなく、総じて満足度の高い食事ができた。
食事を含めて休憩は15分ほどで切り上げて再度出発。
WPを過ぎたあたりから、徐々にPBPが本気を見せてくる感じで、アップダウンのうねりが少し大きくなってきた。とはいえ、想定内の範囲。今年の2月に沖縄のブルベで東海岸の鬼のようなアップダウンに苛まれたのに比べたら楽勝としか言いようがない。
感覚的にはあっという間にPC1 Villains-La-Juhel(218km)へ到着した。ここでは軽食のみで済ませて、たしか10分ほどで出発。この時点で9時ちょっと経過して3時20分ほど。
冷え込んできたので、レインジャケットを着た。
次のCP2 Fougeresまでの区間が自分的には結構苦行感が強かった。
この区間の特に後半が、真っ直ぐな道のアップダウンが多く、テールランプの列が幾つか先の丘の向こうまで続き地平線の果に消えていく、という景色が暫く続く。
感覚的には渋滞している高速道路を車で走ってるようで、いつになったら着くんだろう、と絶望感すら湧き上がってきた。テールランプの明かりが催眠効果を発揮して眠気も微妙に感じるし、気分転換をしようにも景色も全く見えないしで、なかなかタフな区間であった。なぜか頭の中に中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」がエンドレスで再生された。「旅はまだ終わらない」
PC2 Fougeres(305km)には7時過ぎ、ちょうど夜明けぐらいに到着。初日の朝の冷え込みは、振り返るとそれほどでもなく、寒さに震えるというほどではなかった。
ここまで300km/13時間なのでまずまずのペース。
補給食だとどうしても炭水化物・脂質系に偏るので、PCでの食事は意識してタンパク質を摂取。メインの肉料理と、チーズ、ハム、ゆで卵、ヨーグルトなどを摂るように終始心がけた。ここでもそういう食事にしたと思う。
PC3 Tinteniacまで、さらにPC4 LoudeacはこれぞPBPっていう感じのアップダウンが続く。PC3-PC4間の方が若干アップダウンはきついかもしれないが、噂通り斜度は5%をまず超えない。
日が出てくると一気に気温が上がり、PC4に着く手前では明らかにボトル内の水が売り切れ寸前になり、初めてPC以外でストップして小さな町のBourangerieでパンと水分の補給を行った。
これも噂通り、沿道の街々には応援してくれる地元の方々が必ずいて(下手したら真夜中でも)、子どもたちはハイタッチを求めてきたりする。沿道に住む人にとっては、4年に一度の盛大なお祭りなのだ。
PC4 Loudeac(445km)に到着したのは14時前。16時頃に到着予定で考えていたので、随分早めに着いた。ここにはドロップバッグが届いているので、仮眠もこの街で取るつもりにしていた。ガッツリ昼食を摂った後に、シャワーを浴び(数€必要)、パジャマに着替えて仮眠所へ。まだ寝ている人も少なかったから、ベッドを自由に選べた。めんどくさかったので比較的入り口から近いところのコット(担架みたいなベッド)にしたのだが、ゴール後に他の出場者の情報を見ると、もっと寝心地の良さそうなマットレスもあったとのこと。
何れにせよ、就寝したのだが、まだ日中で明るく、気温も結構高いため、ろくに寝られず2時間半ほどで覚醒してしまった。当初は6時間睡眠で7〜8時間休憩するつもりだったのだが、予定を早めて19時頃に出発することにした。
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