6)PBP3日目:2019/8/21(Wed)3:30〜8/21(Wed) 19:23 Fougeres(923km)〜Rambouillet(1219km)
予定通り3時に起床。こわばった体をゆっくりとアクティブストレッチしてほぐしていくが、かなりガタが来ている。怪我の痛みは殆どなくなっていた。
朝食をもう一度取ろうかと思ったが、それほど空腹感もなかったので、軽食コーナーで補給食としてまたもやパン・オ・ショコラを2個買って出発。
明け方の寒さを避けたくてFougeresまで一気に行く作戦に変えたのに結局早朝に走らないといけないというジレンマ。ゴール時間にすごいこだわりがあるわけではないのだが、宿がParis市内という関係上、ゴール時間が終電を超えてしまうと翌朝までRambouilletで待機もしくは自走でParisまでということになってしまう。まだParis市内で観光や買い物などやりたいこともあったので、なんとか水曜日中にゴール、そして宿に戻りたかった。終電が確か23時頃だったので、それを目標にして、なおかつ時間に余裕をもって逆算していくと3時、4時の出発が必要と判断した。
が、しかし、寒い、眠い。
ここまで眠気とはほぼ無縁で来られたが、5時間寝たにも関わらず、この日の夜明けまでがまさしく睡魔との戦いだった。ジャケットのファスナーを開けて冷気が入ってくるようにしたり、歌を歌ったり。追い越したり、追い越されたりする外国人の方も、音楽をスピーカーでかけてたりしてたので、みんな眠いんだろう。生憎、iPhoneの充電ケーブルの不調で充電ができないトラブルに見舞われてしまったので、バッテリー温存のために、音楽やPodcastを聞きながら走るということができない状態だったので、ひたすらアカペラで歌いまくった。ミスチルの全シングルを最初から最新までだいたい歌い尽くして、ようやく夜が明けてきた。
初日に高速道路みたいだと感じていた区間は、明るい中で見てみると、やはり幹線道路っぽいところで、地平線までど直線のアップダウンだったり。北海道のツーリング写真で上がってるような景色をイメージしてもらうとわかりやすい。要するに、しんどいときには非常に単調で苦痛でしかない。
起床後に食事を取らずに出発してしまったのが案外効いてきて、おそらく寒さに対しての発熱もあってか、エネルギーが枯渇気味になってきた。あろうことか、虎の子のパン・オ・ショコラを1個落としてしまうという凡ミスを犯してしまい、万事休すか!と思われたとき、僕を救ってくれたのは、フロントバッグの奥底に残っていたビスコだった!!「I LOVE BISCO」とフランスの中心で(ビスコ)愛を叫んだ。
PC11 Villians-La-Juhel(1012km)に到着したのは8時頃。
往路では利用しなかった食堂でたらふく朝食をいただく。コントロールや軽食コーナーがある棟と道路を挟んで反対側にあるので、往路は存在すら気づいていなかった。
ここのメカニックサービスでタイヤの空気圧もチェックしてもらった。Rambouilletで6.5barぐらいまで入れてたが、5bar台まで落ちていた。若干しゃっきりした走りに戻った感覚。今になって思えば、お尻へのダメージを考えたらそのままの空気圧のほうが良かったかもしれない。
あと200km。いよいよ日帰りサイクリングの距離感まで戻ってきた。
夜が明けたら眠気は完全に消えたので、あとは粛々と距離をこなしていくだけ。次のPCまであと1時間もかからないぐらいの距離で空腹感を感じたので、ふらっと、大きめの街(Mamers)で寄り道してみることにした。目に入ったBoulangerieへ行ってみると、地元で人気のBoulangerieらしく次から次へとお客さんが入ってくる。これは大正解かな?ショーケースを眺めていると、Patisserieも兼ねているようで(フランスでは多いね)パリブレストを発見!期間中に絶対食べたいと思ってたので、即決!レジに並んでいたおばあさんに「あなたPBPの出場者なんでしょ!?」って(多分そんなニュアンス)聞かれたのでサムズアップしておいた。店の前のテラス席で優雅にエスプレッソを飲みながら食べるパリブレスト。ヨーロッパのサイクリストの写真でよく出てくるやつだ!って思いながら、時間を気にせずゆっくりと休憩。甘いものを食べるとやっぱり元気が出て、そこからは一気にペースアップできた。
PC12 Mortagne-au-Percheには13時すぎ到着。
100km前後でPCがあるとちょうどいい具合にお腹も減るので、毎回しっかりがっつりと食事を摂れる。大体到着時間の目処が立ってきたのでゴールに間に合うようにと家族に連絡した。
このPCの前後には8〜10%ぐらいのややキツめの短い登りがあり、それをクリアすれば、初日に自分がヌルゲーと勘違いしたボーナスステージを残すのみのはず。記憶には間違いはなく、ここからのラスト100kmはさほどのアップダウンもない快走路。気温も上がりすぎず気持ちいいことこの上ない。ずっとこんなコースならいいのに!ずっとこんな時間帯に走れたらいいのに!追い風なので図らずしてスピードが乗りまくって楽ちん。
ラストPCであるDreuxの街は往路では通らなかったところなので、どんなところだろうかと楽しみにして走っていくと、PC手前5kmほどで急に都会的な雰囲気に。Paris市内へのベッドタウン的な位置づけの街なのか、今回走ったコースの中では1番の大都会に感じた。その分、さすがにフランスと言えど車のマナーも少しだけ悪いようにも思えた。
PC13 Dreuxには17時10分頃に到着。
Dreuxは駐輪スペースからコントロールまでが遠い!300mぐらいはあったね。疲れた体に、クリート付きのシューズでの徒歩は堪える。
ここの軽食コーナーでまたもやパリブレストを見つけたので食べたが、Mamersで食したものには遠く及ばず。異様に冷えていたので、冷凍したのを再解凍したものだったのかも。
ゴールまではあと40kmほど。のんびり行くべ、と思って出発したものの、いざ走り出すと最後という高揚感でアドレナリンが出まくってしまい、30km巡航。
そんな中、PBP中で最悪の事件が発生。自分を追い抜いていったワンボックス車から、ジュースみたいなものをぶっかけられた。暑いから水をかけてあげようなんていう感じではなく、DQNっぽいやつがケタケタ笑いながらかけていったので、嫌がらせなんだろう。最後の最後でこんなやつに出くわすとは・・・。
ボトルの水を体にかけてジュースを洗い落として、気持ちをリセット。あと20km、15kmとどんどんゴールが近づいてくる。ラストに微妙なアップダウンがあったけれどもゴリ押しで踏みまくってクリアしていく。どこにこんな体力残ってたんだ。
Rambouillet城に入ると、すでにゴールした方々やその関係者の方が、拍手で迎えてくれた。石畳区間をパンクしないように慎重にクリアして、グラベル区間へ。ゴールゲートが見えてきた。娘と父が待ってくれているはず!恥ずかしい気持ちはありつつも、両手を離してバンザイポーズでゴール!!!
ん、でも、シャッター音聞こえなかったぞ。
日本語も聞こえてこない。
おかしい・・・。あたりを見回しても家族がいない。携帯で連絡しても応答しない。
とりあえずゴールの受付を済ませることにした。初日に車検をやっていた巨大なテントがコントロールになっており、Rambouilletのスタンプを押してもらって壮大なスタンプラリー終了。記念メダルをかけてもらい、サプライズプレゼント的に行程中ずっとランドヌールを導いてくれた案内板をもらった。これ貰えないかなって走りながら思っていたので、ある意味メダルより嬉しかった。
ゴール後のウェルカムミールはカレー味!フランス人もよく分かってるね!疲れたときはカレーに限る。と、食事をしていると家族から連絡が。どうやら1本遅い電車に乗ったせいでゴールに間に合わなかったらしい。おいおい・・・。
ゴールゲートで記念撮影して家族と合流。ま、ゴール間に合わなかったのは残念だけど、走り終えた直後に祝福してもらえるだけでも幸せだと思わないと。
こうして僕のPBP2019は幕を閉じた。
走行距離:1219km、所要時間:73時間18分55秒、平均速度:16.57km/hr「完走」
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