当ブログの貧弱なコンテンツの中では比較的アクセス数の多かった2014年度版に引き続き、今年もやっちゃいます。
(本当は去年も記事を書きかけていたんだけど、めんどくさくなってお蔵入りにしちゃいました。)
今年は7店舗のシュトーレンを買ってみた。
- 大阪・北新地「シュクレクール」
- 大阪・肥後橋「ラ・フルネ」
- 大阪・靱公園「ルルット」
- 兵庫・西宮「生瀬ヒュッテ」
- 東京・新宿「デュヌラルテ」
- 東京・新宿「プチメック東京」
- 岐阜・高山「トラン・ブルー」
1. 大阪・北新地「シュクレクール」
個人的には大阪で最も好きなパン屋さん。今年の5月に北新地に新店舗ができたおかげで以前よりも購入する頻度が増えた。
シュクレクールのシュトーレンを買うのは、今年で3年連続?
開封時期は販売開始から1週間も経たないぐらい。
この時期ですでにしっとりした生地で、スパイスの芳香が今回の6種類の中でも最も際立っている。ナッツが比較的多めで、ドライフルーツも洋酒がしっかり、だが過剰ではない程度に利いており、相変わらず完成度は高い。
2. 大阪・肥後橋「ラ・フルネ」
いつかパン屋紹介の記事にも挙げねばと思ってるお店。2年前にフレンチレストラン「トゥールモンド」跡地にオープンした。谷町の「gout」で修行したシェフが腕を振るう。「gout」の前にはパティスリーでも修行をしていたそうで、お菓子もケーキも美味しい。
開封時期は販売開始から1週間以内。
開封した瞬間、鼻にツーンと来るほどの洋酒の風味。正直、私にはちょっときつすぎて、最初の数日はほとんど手を付けずに酒が抜けるのを待ったぐらい。
程よく落ち着いたあとでは、生地のしっとり具合やフィリングの味わいともに非常に好み。スパイスの風味はお酒に押されてちょっと控えめな印象。
幾分大人な味わいのシュトーレンといったところか。
3. 大阪・靱公園「ルルット」
小ぶりなシュトレーン。生地がパサッとした食感で、スパイスの風味もやや乏しい。フィリングもいささか物足りない感じ。ちょっと好みではなかった。
4. 兵庫・西宮「生瀬ヒュッテ」
当ブログでも取り上げた、旧タケウチの新店舗。NHKのプロフェッショナルで取り上げられてしまったせいで、なおさら予約しにくくなった感がある。店舗では予約者しか販売してくれないのでシュトーレンを取り扱っていたのかは分からないが、毎年大阪市内の提携ショップ数店舗でシュトーレンの委託販売を行っている。
私は淀屋橋のカフェで購入した。
開封時期は販売開始から1週間以内。
開封時点ではかなりパサパサしたドーナツみたいな生地感。フィリングも独特で、柑橘類が主体、かつ量も少なめ。スパイス、洋酒ともにアクセントは控えめ。生地そのものだけを捉まえると美味しいのだが、少なくとも私の求めているシュトーレンではないなと感じた。
そこから2週間ほどじっくりと食していったところ、さすがに最後の方にはかなりしっとりとしてきて、ようやく全体が調和した。
ただ、やはり期待値ほどの仕上がりではない印象。
5. 東京・新宿「デュヌ・ラルテ」
表参道に本店を構えるパン屋さんのデパ地下店。新宿伊勢丹B1Fで購入。
小ぶりな分、1000円前後と購入してみやすい価格帯だったので予定外に購入。
購入後、およそ10日〜2週間ほど経過後に開封。
失礼な話ではあるが、正直全く期待せずに買っていたのだが、それに反してかなり好みの一品だった。ギュッと詰まった生地はしっとりと、フィリングは決して大きな断面ではないにもかかわらず十分量が充填されており、ややスパイス感は乏しいものの、レーズン系主体のドライフルーツのジューシーさが特筆すべきであった。
6. 東京・新宿「プチメック東京」
何が悲しくて京都のお店のシュトーレンを東京で買わねばならぬのか、というツッコミはさておき、わが愛するプチメックのシュトーレンは初めてである。
購入後およそ10日〜2週間ほど経過後に開封。
いわゆる王道系のシュトーレンで、生地、フィリングともに申し分がない。表面の砂糖は粉糖ではなくてグラニュー糖のような目の粗いものを使っているのが目を引く。
そつがないのだが、逆に言えばここならではという特徴に欠けるという言い方もできるかもしれない。また、日をおいて食べたときに、他の店はしっとりしてきたのにここのはあまり変化が感じられなかった。察するに、表面の砂糖の目が粗いがゆえに、他のシュトーレンで見られるような、砂糖が生地にジュワッと溶け込んで一体化していきにくいではないか。
7. 岐阜・高山「トラン・ブルー」
今回の本命。昨年のツーリングで念願の訪問を果たした、飛騨高山の名店。
お取り寄せになるシュトーレンは価格が5000円弱と一見VIPクラスながらも、サイズも他店の倍ほどあり、グラム単価でいくとほぼ差はない。
11月半ばとかなり早めに到着したので、1ヶ月ほど寝かしてから開封。
これまたド直球の王道シュトーレン。粉糖できれいにコーティングされた生地からは、ほどよくスパイスと洋酒の香りが漂い、かなり多めかつ大振りなナッツの食感がアクセントになりつつ、ドライフルーツの甘みが滲み出す。
開封した直後は1ヶ月もおいてた割にはそれほど熟成が進んでおらず、わずかにしっとり感が足りていなかったが、それは乾燥剤の入った密封状態だったためであろう。開封後は、一気に熟成が進み、日に日に風味が増していく。開封直後のほのかな物足りなさは完全に消え去り、ラスト数切れは食べるのが惜しいぐらいにしっとりと美味しかった。
***********
年々シュトーレンを作るブーランジェリー、パティスリーが増えてきていて、どこのを選ぼうかと迷いに迷う贅沢な悩みに苛まれる。
去年、一昨年と購入した「シニフィアン・シニフィエ」のシュトーレンは、もはや至高の存在すぎて別格扱いなので、今年は敢えて買わなかった。
安定した美味しさの中にもピリッとアクセントを利かせてくれる「シュクレクール」のシュトーレンが関西の横綱であろうか。私の好みとしては今回のベストワン。
予定外に購入して嬉しい誤算となったのが「デュヌラルテ」。これはいつかリピートしてみたい。
総じて言えることは、ハード系のパンが美味しいところは、シュトーレンも美味しいということ。ブラインドで買うときの一つの指標にすると良い。
分類で言えばケーキに近い気もするが、発酵や熟成という要素が絡むからには、ブーランジェリーの分野なんだろうか。来年はパティスリーのシュトーレンをいくつか買ってみて、そのあたりを調査してみたい。