東京出張の折に、2月には訪れることのできなかった祖師ヶ谷大蔵の「L’atelier de Plaisir(ラトリエ ドゥ プレジール)
」を訪ねた。
事前に予約した方が良いというクチコミを参考に、3日前に予約しておいたのだが、大正解。
平日にも関わらず、12時オープンなのに14時半訪問時にはすでに売り切れ閉店状態であった。ここまで早いお店は見たことがない。
あれやこれやと買い込んでしまい、支払いは6000円弱(笑)、重量も3kg近くなり、立派なお土産になった。
様々な種で起こした天然酵母を使うのが特徴で、また店内に設置した石臼で自家製粉するというのもポイント。
◾︎バゲット
バゲットは日替りで内容が変わるとのこと。この日は、石臼引きの小麦粉を使ったものです、との説明を受けた。HPによると甘みを引き出したバゲットだそうな。
かなり細長い形状で厚みも薄め。
断面を見て、思わずため息が漏れた。
ぱっと見でも大小様々な気泡が見事なまでに入っているのはお分かりいただけると思うが、さらに注意深く観察すると、クラムには1mmにも満たない微細な気泡が無数に形成されており、その気泡の間を埋めるかのようにパリッとグルテンでよく繋がった生地が存在する。
食感もまさにこの見た目通り。カリッとした薄めのクラスト、そしてクラムはグルテンのもちっとした食感を伴いつつも軽い歯ごたえで、ぷちゅぷちゅっと気泡を潰しながら噛みしだいていく、そんな感覚。
小麦の香ばしさも素晴らしく、雑味が一切ない。むせかえるような濃厚な味わいではないが、決して淡白ではない深い味わい、甘み。
これはスゴイ。
460円
◾︎ディンケル・トーストブロート
スペルト小麦を使ったパン。「スペルト小麦」とは、現代に一般的に使われている小麦の原種にあたるような古代小麦なんだそうな。
このパンの特徴としては、食パンにはよく使われる、砂糖・バターのいずれもが不使用とのこと。砂糖は酵母の餌になり、またバターはパン生地の可塑性を高めふんわりした伸びの良い食パンに仕立てるためのものだ。これら抜きということはバゲットなどのフランスパンと同じような材料になる。
さて、その食感はというと、およそバターも砂糖も不使用とは思えぬほどにふんわり、もっちりしたいわゆる食パンらしい仕上がり。ただ、味わいは大きく異なり、砂糖や油脂のわかりやすい美味しさではなく、小麦を酵母が醸すことにより生まれた自然な甘み。これがスペルト小麦の味なのか、穀物らしい苦味にも似た風味がかすかに漂う。これまた素晴らしい逸品だった。
700円
その2へ続く
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