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2014年4月22日火曜日

阪急梅田本店「le Boulanger de monge(ル・ブーランジェ・ドゥ・モンジ ュ)」

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関西パン屋巡り200軒の29軒目。

阪急梅田本店には、パン屋のテナントが2店舗入っている。一方が、阪急グループが直営するB1Fの「Boulangerie UN」、そしてもう一方がB2Fの「le Boulanger de monge」。
このお店は、パリに2店舗を構える超人気店の国外初出店の店舗だそうで、ドンクがライセンス経営されている様子。パリで修行した職人さんが、パリのお店の味を再現すべく努力されているとのこと。
ビオ小麦、要するにオーガニック小麦を使っていることがウリの一つだそうで、該当する商品にはビオマークが表示してあった。

・バゲット・ドゥ・モンジュ

お店の看板商品のビオ小麦を使ったバゲット。
クラストの最表面はがりっとかなり固めに焼き上げられているが、クラムに移行するまでの間からすでにもっちりとした歯ごたえの中間層的な部分が感じられる。
比較的なだらかにクラムへと移行していき、もちもちさは一層増していく。食パンのようなしっとりしたもちもちではなく、どこか乾いた感じのある弾力感。塩の加減がこの上なく絶妙。
ご自慢の小麦粉のおかげもあるのだろうけど香ばしさも格別。
絶品。

・パン・オ・ルヴァン

ルヴァン種をもちいて焼かれた、非常に素朴なパン。それだけにパンの実力が丸わかりになる。
開封するとルヴァン種の酔いしれそうな馥郁たる芳香に包まれる。こちらも固く焼かれたクラストの中は、きめ細やかなもっちりしたクラム。これが小麦の旨味か、とシンプルなはずなのに奥深い旨味が湧き出てくるようだ。
何もつけずとも十分すぎるほど美味しい。

・カンパーニュ・オ・レザン

ライ麦配合のカンパーニュにレーシングがびっしりと練りこまれた、レーズン好きにはたまらないパン。
こちらはライ麦の風味と、レーズンの甘み・酸味がマッチして、これまたすこぶる美味しい。他のパンに比べると、ややもっちり度では劣るが、その分レーズンがとても瑞々しく、全体としてはパサパサ感を感じさせない。
これまた絶品。

・クロワッサン

今回、一番感動したのはクロワッサンかな。サイズはかなり大きく15cmほどはある。
比較的ふんわり目に焼き上げられているが、内部の層の細かさが素晴らしい。噛んでいくと、一層一層を噛み潰していると分かるはずのないことを知覚できているかのように錯覚してしまうほどに、層の形成が美しく、食感が素晴らしい。バターはやや控えめに感じたが、過剰な風味よりもこの食感を味わうだけでも幸せだ。
素晴らしい。

「UN」もかなり美味しいとは思うが、相手が悪かった。格でいうと、こちらが数段上だ。
梅田界隈最強店の座はモンジュに移譲された。

2014年4月21日月曜日

天神橋筋商店街「Happy Camper Bagel(ハッピーキャンパーベーグル)」

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関西パン屋巡り200軒の28軒目。
天神橋筋商店街に最近大注目を集めているベーグル専門店があると聞き、休日出勤の帰りに寄ってみた。
日本一長い商店街である天神橋筋商店街のうち、JR天満駅や扇町公園からほど近い部分に店を構えておられる。
縦に長い店内は、奥が厨房になっているようで職人さんが忙しそうに動いておられた。売売り場スペースは2坪ほど?でお客さん数人でいっぱいになりそうな感じ。
ベーグル専門店というとこれでもかというぐらいのバリエーションが用意されていることが多いが、こちらはお店の広さの加減もあるのか6種類の品揃えだった。とりあえずそのうち苦手な抹茶味以外5種類を購入しておいた。価格は150~200円程度。サイズを考えると、ベーグルとしては普通の価格帯。
ちなみに本日のおしながきは、「プレーン」「くるみ」「ベリーベリーベリー」「黒豆と黒ゴマ」「イチジクとヘーゼルナッツ」

朝食を食べていなかったので、その場で「プレーン」と「くるみ」を頂いた。
こちらのベーグルの特徴は、まずパリッパリのクラスト。焼きたてだから特にパリパリしていたのかもしれないが、どちらかといえばフランスパン的な歯ごたえ。特に底面がパキッと焼きあがっており、カリカリそこばっかりかじりたくなる。
それに対して、クラムはふんわり。ややもっちりはしているが、ふんわりという表現がイチバンしっくり来る。ムギュッとしたベーグルも美味しくて好みだが、このパリパリした特徴ある食感はクセになる。
これは「くるみ」
裏面
断面

ベーグル専門店というのは関西にはあまりなく、チェーン店になると途端に美味しくなくなるものだから、貴重な存在。
ベーグル好きはぜひとも行っていただきたい。オススメ。

新神戸「フロインドリーブ」

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関西パン屋巡り200軒の26軒目。

神戸のベーカリーの草分け的存在のお店の一つ。
NHK教育で放送された趣味DO楽にシェフが出演しておられ、以前に食べたのがいつだったかはっきり覚えていないほどだったのに気付き、改めて訪問してみることにした。
新神戸から三宮方面へと下っていく途中にある教会のような建築がこのお店。1Fが販売スペースで2階は喫茶店となっている。通路がゆったりととられた広々としたスペースには、パン以外にも、焼き菓子などが並ぶ。というか、焼き菓子のスペースの方が広いぐらい。

実は、自分の中のイメージとして、焼き菓子に力を入れすぎているパン屋のパンはイマイチ、という先入観があって、この日も複数のパン屋を回っていたこともあり、2点しかパンを買わなかった。
結果として激しく後悔することになったのは言うまでもない(笑)

・ブラウンブレッド
くるみ・レーズンが入った、かなり大きなパン。ハーフサイズでも手のひらよりも大きいぐらい。これで500円(+税)というのだからコスパはすごい。
店名から分かるように、基本的にはドイツパンのお店。このパンもご多分に漏れず、ライ麦ベースのパンであるが、ライ麦の配合比率は比較的少なめなようで(プライスカードに書いてあったような気がするが失念してしまった。おそらく30%程度か)、いわゆるドイツ系の黒パンとは違い、みっちり詰まった食感ではなくて、ふんわりとした口当たり。フィリングの影響もあるだろうが、味の方もライ麦の酸味は控えめで、どちらかという甘みを強く感じる。良くも悪くもクセがなく、ドイツパンを求める人には物足りないとは思うが、一般的には非常に食べやすい。実際、自分も一切れ、一切れ、とスライスしているうちに見る見るうちに残りが寂しいことに・・(笑)

・ソフトトースト
数種類用意されている食パンの中でソフトタイプをチョイス。ライ麦が入ったタイプの食パン。ブラウンブレッドに対して、こちらの方がぎゅっと目の詰まった、いわゆるドイツパンの流れを感じさせる仕上がり。小麦だけの食パンでは味わえない濃厚な風味が特徴。目が詰まっている分、非常に食べごたえがある。
甘い食パンも美味しいが、こういうパンにジャムを載せて頂くのもまたオツなものだ。

老舗の名に恥じぬ、奇を衒わぬ王道的な美味しさ。
ドイツパン、ライ麦パンの入門編として最適解であると思った。

2014年4月18日金曜日

王子公園「こみちのパン屋さん かて」

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関西パン屋巡り200軒の26軒目。
阪急王子公園駅・JR灘駅の徒歩圏内にある非常に小さなお店。レビューサイトでやたらと高評価であったので、気にはなっていたが、長期休暇を取られたり、そもそも営業時間・営業日が限られていたりとなかなか訪問する機会がなかった。
今回念願かなっての訪問となった。

女性の店主さんがお一人でパン製作から販売までされているとのこと。そのため、営業日数も限られてしまうようだし、パンの種類も4~5点に限られる。
この日は午後3時頃の訪問だったのだが、すでに食パンは売り切れており、3点を購入してみた。

・オレンジチョコレート
ねっとりとすら表現したくなるほど引きが強い生地には、ビターなチョコレートがこれでもかと練りこまれてある。小麦がメインなのか、チョコレートがメインなのかわからなくなるほど。オレンジピールの酸味が甘さでダレそうになる舌を時折引き締めてくれる。チョコ好きにはたまらんだろう一品。

・くるみぱん

ここ数カ月で食べたパンのうち、一番衝撃を受けたパンと言っても過言ではないかもしれない。
ぶどうから起こした自家製酵母を用いて、小麦、おそらくライ麦を配合して焼き上げたくるみのパン。
この説明だけではこだわったパン屋ではよく見かけるありきたりなものなのだが、このパンは何かが根本的に違うぐらいに美味しかった。
手に持つと、ビニール袋越しにも伝わってくる弾力感。むちっとしたクラストから溢れ出る旨味で弾けそうだ。
封を開けた瞬間から馥郁たる濃密な芳香が嗅覚を刺激する。いわゆるパンの焼けた香ばしさとは違う、形容し難い濃密な香り。
たまらずかぶりつくと、見た目通りムチっとした薄いクラストの中に、むっちむちのクラムとくるみが待ち受ける。非常に滋味に溢れたパン。素材の一つ一つから自然が溢れ出てるようだ。
ひたすら優しく、深い。
絶品です!!

・ブリオッシュ
これも恐ろしく美味しかった!
円形のカステラのような見た目。
わずかに力を加えるだけで千切れていく。見た目通りに極上のフワフワさ。ブリオッシュパンというと、どうも甘みと油脂が過剰なイメージがあってあまり選ばないのだが、こちらは優しい程よい甘みと卵の風味が本当に素晴らしく、綿菓子のような口どけの良さとサッパリした後味でパクパクと食べてしまった!
こちらも絶品。

このお店のオーナーシェフの女性の出自がどのようなものなのかは存じ上げないが、パンと真摯に向き合って正直な丁寧なパン作りをされていることがヒシヒシと伝わってくるパンであった。
是非とも食べていただきたい。

2014年4月16日水曜日

御影「Bienvenue(ビアンヴニュ)」

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関西パン屋巡り200軒の25軒目。

週末に神戸方面に出かけることになったので、未訪となっていた気になるお店を数店回ってみた。

この日の1軒目は山幹沿い、御影にある「Bienvenue(ビアンヴニュ)」。
先月梅田でやっていたカレーコレクションにも出品されていた、阪急沿線では期待の新鋭の一つ。
ビゴの店で修行を積まれ、その後は北野ホテルの「イグリュックプレス」を立ち上げたシェフが腕を振るう。

外光を上手く取り入れて明るい雰囲気の店内には所狭しと30~40種類のパンが並ぶ。町のパン屋っぽいソフトなものからハード系、ヴィエノワズリーなどバリエーションも非常に豊か。強いて言えば、ケーキっぽいヴィエノワズリーを得意とされているのかもしれない。果実がふんだんに使われた見るからに美味しそう(ただしカロリーも恐ろしそうww)なデニッシュが並んでいた。
私は、というと、最近の定点観測法通りに、ハード系、食パン、クロワッサンなどを購入。

・バゲット(長時間発酵タイプ)

バゲットは2種類あるようだが、自分が訪問した際にはこちらの長時間発酵タイプしか売っていなかった。(もっとも、こちらの方がおそらく好みだろうからちょうどよかった)
ビゴの店系列らしい、そこまでハードすぎないタイプのバゲット。クラムは非常にモチモチで、味わいもオーソドックスなビゴ系とは一線を画する濃さ。看板商品というだけある美味しさ。
自分の好みとしては、他店のもっと濃厚なバゲットに慣れていると、やや物足りなさを感じる。塩気も好みよりはやや薄め。
いつも書いているが、ビゴ系のバゲットは食事ありきであると感じる。ぜひともこのバゲットを使ったカスクートを食べてみたいところだ。

・クロワッサン
パリっとした見た目だけど、口当たりは思いの外ふんわり。バターにしっかり火が入っており、香ばしさがちゃんとパンの中に閉じ込められている。内部はややしっとり系。
かなり美味しかった。

・ノアレザン
ライ麦を混じて、自家製天然酵母で醸してある生地で作られたこのパンは、ビスケットライクなほろっとした崩れ易さのある固いクラストを持つなかなかユニークな逸品。中は驚くべきほどにふんわり・もちもちで、わずかにしっとり。ライ麦の酸味はほとんど感じず、風味の増強に上手く一役買っている。フィリングの量は中等量。くるみの風味もしっかり感じられ、レーズンもしっとり甘い。良い材料を使っているのがよくわかる。
今回頂いた中ではベストチョイスだった。

・食パン(角型、もちもちタイプ)

同じ生地を使った食パンのうち、角型を買った。こちらの方が山型よりもモチモチ度が高いそうだ。
今回購入した他のパンに比べると、正直なところやや見劣りのするパンであった。確かに十分美味しくはあるが、それほど飛び抜けたものを感じず、またモチモチ度もわざわざ強調するほどモチモチであるとも感じなかった。

2014年4月8日火曜日

福島「食パン工房ラミ」

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関西パン屋巡り200軒の24軒目。

福島の隠れ家的パン屋の一つ、食パン工房ラミ。食パンのみを作り続ける、まさに食パンマイスター的なお店。
職場が、配達エリア内であったので、事前予約の末に配達していただいた。
配送料無料だが、食パン1.5斤サイズで500円と非常に高価。その価格に見合うだけのお味なのだろうか?

・食パン


今まで買った食パンの中でもトップクラスの柔らかさ。電動スライサーを持っていないので(当たり前ww)スライスガイドを用いて、パン用包丁でスライスしたのだが、あまりにやわらかすぎて断面がキレイに切れずギザギザになってしまった・・・。
この手の高級食パンの場合、とにかくバターリッチで後味がしつこいイメージがあるのだが、こちらの食パンはバタ臭さが全くと言っていいほど感じられない。生クリームなどの乳脂を大量に使っておられるようで、甘くミルキーな香りが漂う。
まずはそのままで食べたのだが、触った通りのすさまじい程のふわふわさと弾力。酵母は何を使っておられるのかHPにも記載はないが、イースト臭は全くなく、甘い薫りに包まれる。練乳を練り込んであるそうで、実に甘い。が、小麦の甘さと乳脂の甘さが対立せずにお互いを引き立てている感じ。
さて、トーストするとどうなるのだろう。あえて厚めにスライスしてトーストした。
耳の部分はさほどカリッと焼きあがらず、クラムの部分のごく表層のみがパリっと焼けた感じ。表面をかじった途端、中のクラムともども一気に口の中で崩壊して溶けていく。バタ臭くないのに、熱でバターが染み出してきているように感じられ、ただでさえ良い風味が一層強く立ち上がる。
まさに至高の食パン。
コスパは非常に悪いが、それを度外視しても食べたくなる美味さがある。ソフト系食パン最強の称号を贈りたい。

阪急梅田本店「Boulangerie UN」

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関西パン屋巡り200軒の23軒目。

梅田にお買い物に出かけたついでに、比較的空いていたので寄ってみた。平日の夕方だと、レジ前に行列ができている時もある。

ググってみると、どうやらこのお店は阪急グループが直接に経営しているようだ。昔の梅田阪急に入ってた「ベイクドQ」などと同じ系列のようだ。

 ・トラディショナルバゲット

東京の名店「VIRON」と同じく、フランスVIRON社の小麦を100%使用したバゲット。かなり細身で長い。60cmほどはある。
何かの本で読んだ覚えがあるが、VIRON社の小麦は、それだけで必ずしも美味しいバゲットを焼けるというような魔法の粉ではもちろんなくて、結構品質のバラつきが大きくてどちらかというと扱いにくい粉であるとのこと。渋谷のVIRONは大資本で独占契約を結ぶことで安定した品質の供給を可能にしたようだが、そこはそれ、阪急東宝グループの大資本が安定供給を実現したのだろう。
なんとも言えない小麦の香ばしさに期待を膨らませつつ口に運ぶと、クラストはガリッと硬く焼き上げられて、噛みこむにつれてバリバリっと音を立てて崩れていく。その細さ故に、相対的に少ないクラムの部分はしっかりと中心部まで焼成されて、余計な水分もしっかりと飛び、それでいてパサパサしすぎずふんわりとした食感を残す。麦と塩のバランスが非常によく、やや濃厚気味な味わいでドンドンと食べ進んでしまう。
自分の理想とするタイプのバゲット。絶品。

・くるみとレーズンのカンパーニュ

ハーフサイズを購入。こちらもバゲットと同じく、クラストがかなり分厚く、固いタイプ。最近食べた中では、谷町のgoutさんのそれに近い。味の方は、フィリングの充填度でgoutにはやや劣るが、ライ麦の酸味が主張せず調和している風味の良さと言い、目の詰まった中にもふんわりさを失わないクラムの焼き加減と言い、これまたドストライクの仕上がり。

・いちごのカンパーニュ


春の限定商品。カンパーニュ生地にドライストロベリーを混ぜ込んで、さらにクリームチーズまで入れてある贅沢な一品。ストロベリーは甘みが非常に強く、若干の酸味を伴うクリームチーズのマイルドさが、パンの風味をより一層強調してくれる。食感的にも、チーズのネチャっとした感触がアクセントになってよろしい。これまた美味い!

・ゲランド岩塩のロデブ

見た目はパネ・ポルチーニの塩フォカッチャに似てるけども、あそこまでモチモチではない。小麦の分量に対して相対的に水分が多い生地で作るパンであるロデブだが、内部に水が残っているわけではなくて、生地が水っぽい分、しっかり焼成すると内部は気泡が多く、クラストも薄く薄く張りのある食感となる。引きちぎろうとすると非常に引きの強いパンに焼きあがっていた。時に岩塩のパンチある刺激が感じられる。シンプルだけど、単品でも食べられる力強さがある。バリエーションでチーズ入のロデブもあったが、あれもぜひ食してみたい。

・クロワッサン
今回唯一残念だったのが、クロワッサン。サイズは小ぶりな日本的なもの。
表面の仕上がりも、イマイチ美しさに欠け、また底面を見るとベチャッとしていたので危惧していたのだが、やはり内部への火の入り方がイマイチで、生焼けバターののっぺりしたしつこさが舌に残った。

・パン・ド・ミ(山食)

食パンは数種類あるのだが、一番オーソドックスなものを。生では食べていない。
トーストすると、表面はカリッとキレイに焼き上がりつつも、中はふんわり、しっとり。もっちりというよりもしっとり。ミルキーな甘い風味が強く、実に日本人ウケのよい食パン。

所詮はデパートのテナントだろうと高を括っていたのだが、その実力は予想を大きく裏切るものだった。
特に、ハード系の出来は、デパート直営のパン屋とは思えない素晴らしい仕上がりであった。クロワッサンは正直微妙だったが、及第点にはもちろん達している。
梅田界隈も近年パン屋が充実してきている中、自分のように先入観で敬遠している方がいらっしゃったらぜひ足を運んでほしいレベルだ。
個人的には現在梅田エリアで最強。

新型METEORの試乗に行ってきた

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一応自転車系ブログのつもりなので、たまには自転車ネタを。

この4月下旬に発売になる、GDRの新型フレーム「METEOR(メテオ)」の試乗会に行ってきた。

今乗っているMadoneを購入するときに、対抗馬として最右翼に挙がっていたのが旧型のメテオスピードだった。当時はツールドおきなわなどのロングディスタンスレースで最後まで脚が残せるフレームが欲しかったのと、試乗した時の印象がLookに近いものだったのとで購入を検討していた。
ただし、新興メーカーであるにも関わらず海外トップブランドと変わらぬ価格にやはり二の足を踏んでしまい、結局は無難な路線でMadoneを選んだ。Madoneの走りには今もってほぼ不満を感じていないが、時にLookに感じていた「しなり」が恋しくなる。
Lookですら695以降はしなりを捨ててしまった今、カーボンフレームでしなりを残した数少ないメーカーの一つであるGDRが満を持して放つ新型メテオに興味が湧かないわけがない。

試乗会の日程を見ていると、生憎関東圏ばかり。当分関西圏での試乗会はないのか・・・と思っていたところ、急に4月5日(土)の試乗会が案内された。
もともと午後から予定がありタイトなスケジュールだったが、なんとか時間を確保して試乗してきた。

場所は、あびこ筋を南下し、大和川を越えたすぐのところにある自転車ショップ「ティファーレ」さん。どうも最近出来たお店のようだ。
試乗会開始の10時に少し遅れるぐらいに到着したのだが、幸いにまだ他のお客さんはおらず、530サイズのメテオに早速試乗させていただいた。
ペダルは普段通りSpeedplay、ホイールはキシリウムSLS。

カラーは標準色の、マットブラック×グロスブラック。
ほぼホリゾンタルだった旧型メテオスピードと違い、わずかにスローピングしている。それでも、昨今のmadoneのような醜い姿ではない。
ヘッド〜ダウンチューブにかけてはかなりのボリュームを与えられているが、基本的にはチューブ径は細めで、古き良き時代のフレームの面影を残す。
見た目は合格。

お店の場所が大和川のそばということもあり、試乗は大和川沿いの平地を内環状まで往復した。時間にして15分〜20分程度。

走り始めた瞬間の第一印象は「ずいぶん普通なフレームになったなあ」。旧型MSはひと漕ぎすれば分かるぐらいに強烈にバネ感のある独特な乗り味のフレームだったが、新型はブラインドテストしたら他のメーカーと区別できないほどに普通。少なくともフニャフニャとすら評された旧型とは全然違う。
アッセンブルされたGDR謹製のカーボンステムとカーボンハンドルの剛性もかなり影響してるとは思うが、ヘッド周りの剛性感はMadoneのそれを上回っているように感じた。意地悪にハンドルをこじってやろうとしてもビクともしない。
ヘッドからダウンチューブ、BBまでが一体成型されたパーツを用いており、メーカーの方いわく「人間でいうところの体幹」をイメージしてかなり剛性を与えているようだ。このあたりの思想はSpecialized Tarmacなんかの思想に近いのかもしれない。まあ、Madoneも似たような形状をしているし、このあたりは流行りを取り入れたものになっているのだろう。

BBはPF86を採用している。GDRおまえもか、と思わず嘆いてしまう、プレスフィットBBの採用。メーカーの方と話をしている時に、PFと聞いた私の表情が曇ったのを敏感に察知されたのか、こうおっしゃっていた。
「PFタイプのBBが評判悪いのは、フレーム精度が悪いからであって、規格の問題ではない」
「うちのフレームに関しては、PF BBでも音鳴のクレームが来たことがない」
かなり強気な発言だ。PF BBのシェルそのものはもちろん精度を出して作られているのだが、フレームに組み付ける際の手際が悪いせいでシェルが歪み、音鳴の原因になるんだとか。そう言われると、確かに自分のMadoneでは音鳴なんて気になった試しがないが、相対的に安価なCAAD10ではBB周りに結構気を使わされた覚えがある。 GDRの方の話を額面通りには受け取れないが、あながちウソでもあるまい。

そのBBであるが、すこぶる気持ちよくクランクが回る。ガタツキは全く感じられず、Madoneとの差異は感じなかった。 さすがに強気な発言をするだけはある。

体幹部分が固められている分、大きな振動はガンと伝わってくる。が、細かなコツコツした振動はほとんど感じない。また、減衰は非常に早い。Madoneに初めて乗った時に感じたシルキーさほどではないが、かなり上質な乗り心地。
メーカーの方によると、ラグの接合部が減った分、どうしても乗り心地は悪化してしまうが、トップチューブの剛性を旧型よりも落としてあり、ここで乗り心地の改善を図っているそうな。

今回は残念ながら登りやワインディングが無かったので、登坂性能やコーナリング性能ははっきりしないが、ヘタレなりにもがいた印象を。MAXでも1000W行かない人間なので、話半分に。
自分の乗っているMadone6sslはその後に発売されたMadone7に比べると随分柔らかめのフレームとされているようなのだが、それですら全力でもがくと自分の脚が車体に負けてしまう感覚が出てくる。そうなると、踏力が跳ね返ってくるのかクランクの回転に淀みが発生して、キレイに回るという感覚が乏しくなってくる。
それと、軽量フレーム故か、車輪が路面を掴みきれずトルクが抜けてフワフワしているような感触があり、一種の危うさを覚えることもある。

新型メテオは、この辺りの不満は全く感じなかった。
旧型MSのユーザーさんがよく使っておられた表現だが、どこまででも伸びる感覚、それを新型でも味わうことができた。これぞ「しなり」なのだろうか?自分の回すリズムに合わせてくれるのか、限界まで踏み込んでも脚に跳ね返ってくる感覚がない。
Look595の時は、一瞬の「タメ」があった後にギュンっと加速するようなイメージだった。それが「しなり」だと思っていたし、旧メテオに試乗した時も似たような感触があったように思うのだが、新型の「しなり」はそれとはまるで違うものだった。
踏力はダイレクトに駆動系へ伝達されていくが、リズムの補正・ロスの発生を「しなり」が調節してくれている、という表現がピッタリ。
特定のパワーバンドやペダリングのリズムを外すとダメっていう狭小なものではなく、どんなペダリングでも受け止めてくれるような懐の深さを感じた。
それと、車体の安定性にも驚いた。フレーム重量950gと超軽量フレームではないのだから当たり前かもしれないが、ハンドルを意識的に振りまくってダンシングしても路面への追従性が極めて高く、ブレない。試乗車ではあったが、コケたら最悪(orこれ幸いとばかりに?)買い取ったらええわ、という気持ちで遠慮なく全開でモガいてみたが、少なくともMadoneよりは吹っ飛ぶような怖さを感じなかった。
これは振動の減衰とも関係しているのかもしれない。新型メテオのウリの一つが、製品の製造精度の高さだという。マスプロダクツとしての限界レベルまでチューブの精度、チューブ同士の接合の精度を高めることで、パワーロスを抑制し、また振動の減衰を図っていると言っていた。
CannondaleのEvoでもチューブ内部のバリの少なさをアピールしていたように記憶しているが、あちらはそれによって無駄な重量を減らしている、というのが主眼になっていたようだが、こちらは重量軽減ではなく(というか重量については全く触れていなかった)乗り心地や走行性能への影響をアピールしていた。

試乗が終わった後に、ヘッド〜ダウンチューブ〜BBを一体成型した「スーパーコア」というモノコック部分の試作パーツを見せていただけたのだが、チューブ内部のバリは試作品とは思えないレベルに少なかった。
カーボンの厚みもLook595ほどではなかったものの、万が一の落車でも大丈夫だろうなと思えるレベルではあった。
また、これはあまりおおっぴらにアピールしていないことらしいが、カーボンレイアップの最外層にガラスフィルムによるコーティング層が用意されており、マスプロダクツのカーボンシートではどうしても回避できない品質のバラ付きを補正することができたとのこと。また、耐衝撃性と云う意味でも、このシートがあるおかげでカーボン層へのダメージを軽減できるそうな。

もう一つ、メーカーの方に聞いてみたかったのが、旧型では「スピード」と「ランチ」の2種類を分けていたのに、今回は統合して一つの「メテオ」になった理由だった。
今となっては何とでも言えるだろうし、穿った見方をすればラインナップを絞って在庫を抱えたくないっていう思惑もあるだろうけども、一応メーカーの方に聞いたことを記載しておく。
旧型メテオシリーズの発売時のカーボン技術では、「スピード」に求めた「長距離レースでも脚にダメージの残らないしなり」と「ランチ」に求めた「ヒルクライムで必要な瞬間的な反応性」とを両立させることができなかったらしい。
より正確を期すと、その当時のレベルでこれを両立させようとするとどっちつかずなバイクになってしまって製品としてのクオリティが下がってしまうという判断の結果として、2種類を用意したとのこと。
今回、ラインナップを統合したのはこれを両立させる技術的な目処が立ったからだ。

この旧型のフレームの特性を如実に反映する事実として、旧型はホイールをかなり選ぶフレームだったらしい。「スピード」はリム外周が極端に軽い超軽量ホイールを苦手とし、逆に「ランチ」はそういうホイールが最適だったという。
ラインナップの統合にあたり、ホイールのアッセンブルによる乗り味の変化を抑えるというのも開発のひとつの焦点になったらしい。

GDRには東レのカーボン繊維を使った「T800」というプレミアムモデルが存在するが、そういう特殊なカーボン素材ではなく一般に流通している素材を用いて、現状作りうる「最も汎用性が高いレース用マシン」として開発されたのが新型メテオ。
 わずかな時間の試乗ではあったが、その狙いの一端は垣間見えたような気がする。

実に物欲をそそられるマシンだった。

2014年4月6日日曜日

西大橋「Boulangerie P&B」

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関西パン屋巡り200軒の22軒目。

平日に何度となく訪問しているが、一度として開いていたことがない自分にとって幻の店にようやく訪れることができた。
すでにお店には閉店の札が掲げられているところを、無理をお願いして残っていた2種類のパンを買った次第。

・プチパン(けしの実)

フランスパン生地で作るプチパンにけしの実をトッピング。カリッとした気持ちのよい歯ごたえにけしの実の風味が混じっていきなり美味しい。クラムは淡白な味わいだけど、噛んでいくうちにじわっと甘みがにじみ出てくる。

・ライ麦パン
拳よりもやや大きいぐらいのサイズのパン。ライ麦パンが苦手、というのは再三書いてきたとおりだが、自分の中でのイメージを覆すほどの衝撃を受けた。写真を撮り忘れたのが悔やまれる。
いわゆる酸味的な風味は残っているものの、それが舌に突き刺さる不快感としては全く感じられず、どちらかというと甘めの生地をさらに引き立てるような裏方に徹している。
クラストを含めて、全体的にふわもちなのだが、さすがにライ麦パンだけあって目が詰まっておりムギュッとした感触が残る。内部が一部水気が残りすぎているような気はしたが、さほど気にはならない。
これはライ麦パンが苦手な人ほど食べてほしい。絶品。

ぜひとも再訪を誓った。

梅田・ルクア地下「ドミニク・サブロン」

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関西パン屋巡り200軒の21軒目。

前回紹介したパネポルチーニに続き、こちらも23時まで営業されている、サラリーマンの強い味方。
関東で数店舗を展開されている本格派フランス系パン屋の関西初出店。

・バゲット
両端が尖った形状で、クープの開きは美しい。クラストは硬めだが、ガッチガチではない。
クラムはモチモチ。香りは控えめで、塩も控えめ。小麦の風味は十分感じるが、味わいの奥行きは少し淡白な印象。主張しないタイプで、やはり料理に合わせたい。

・リュスティック・黒豆ヘーゼル
おそらくライ麦が入っていない小麦粉のみのリュスティック生地に、黒豆をフィリングとして練り込んである。カリッとしたクラストは好みだが、クラムはバゲットと同じくやや淡白な印象。黒豆が妙に酸味が強くて、独特の甘みに乏しい。

・クロワッサン・ペペ
フランス系正統派にすると、やや小ぶりなタイプ。手にとった感触はふわっと軽かったのだが、クラム、特に底面の窯伸びが悪く、層の形成が悪くてベチャッとした食感だった。上層部でも、わずかに水分の抜けが甘い。バターの加減などは非常に好みなだけに、ちょっと勿体無い。

・パン・ビオ・オ・ノア・エ・レザン
ハーフサイズをさらにスライス済みのものを購入。
ルヴァン種で作ったノアレザンとのこと。ルヴァン種特有の酸味ある濃厚な味わい。カット済みなのではっきりとは言えないが、クラストは比較的ソフトめ。クラムはみっちり詰まっていて、しっとり。

鳴り物入りでの関西初出店、かつ商品のラインナップ・外観ともにフランス系本格派を期待させてくれるが、肝心のパンの仕上がりが、正直期待値よりは低かった。
とはいえ、もともとの期待値がかなり高いが故に、相対的にキツイ評価となってるだけで、十分にハイレベルなパン屋である。
何より、立地条件と営業時間が素晴らしい。

2014年4月5日土曜日

福島「パネ・ポルチーニ」

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関西パン屋巡り200軒の20軒目。

仕事が遅くなり小腹が空いたな・・・というときの心強い味方。22時過ぎまで営業されている大阪・福島駅前の「パネ・ポルチーニ」。

しばらく前にテレビで紹介された影響で一時期ひどく混んでいたのだが、ほとぼりが冷めたようで普段の落ち着きを取り戻してきた様子。夕食を取りそびれた夜に立ち寄ってみた。

・塩フォカッチャ
お店の看板商品。
濃い茶色に焼き上げられた薄いクラストには塩がたっぷり振りかけられていて、一口目から岩塩の刺激が口に広がる。疲れた身体には心地よい。
上述の通り、薄皮なクラストの内部はこの上なくモッチモチのクラム。大抵焼きたてで売ってるので、買ってすぐ食べると内部に水分が残っていて、なおさらモチモチ感が強い。
スイカに塩と同じ理屈で、塩気がパンの甘みを引き立ててくれる。フォカッチャらしいオリーブオイルの香りは乏しい。イタリア料理店で供されるフォカッチャとは少し違う印象。

・小麦と全粒粉とライ麦のパン
店舗に入って左側はハード系のパンのコーナー。ここに置かれているパン。
クラストはソフト寄り。ライ麦、全粒粉が入っているため、目の詰まった生地。ライ麦の酸味と全粒粉の風味が絡み合う。リベイクしてバターを塗って食べたい。

・きなこのベーグル
ベーグルは比較的リーズナブル。サイズもやや小ぶりで、おやつ感覚には良い。
ベーグルは個別包装されているのだが、その影響か、きな粉ベーグルはきな粉が水分を吸ってしまって、ややべちゃっとしている。そのまま食べるよりは、少しリベイクして水気を飛ばした方が好み。
生地はムギュッ系。

ここの母体は福島駅前で営業しているバールなのだが、片手間にやってるような中途半端なものではなく、しっかり「パン屋さん」をやっておられる。
繰り返しになるが、この時間まで本格的なパンを供してくれることをまずは賞賛したい。
 
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