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2014年3月27日木曜日

福島「原パン工房」

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関西パン屋巡り200軒の19軒目。

職場から徒歩圏内にありながら、お昼間しか営業していないのでなかなか訪ねることができずにいたお店のひとつ。
某飲食店評価サイトを眺めていると、耳寄りな口コミを発見!どうやら毎週火曜日のランチタイムに職場から徒歩2-3分のあたりで移動販売をしているとのこと。
近々行くべ、と思ってたら偶然にもMBS「魔法のレストラン」で紹介されてしまった。長蛇の列を覚悟して3月25日に買い出しに出かけた。
11時45分にやってくるという前情報をたよりに、11時40分ごろから待機。拍子抜けすることに誰も待っていない。良かった。45分を少し過ぎた頃に、フランスのトリコロール国旗を掲げたミニバンがやってきた。

「ジャムおじさん」的風貌の店主さんと店員さんの2名でやって来られた。準備をされている中、最近のお店の状況を伺ったところ、とんでもない反響で開店1時間近く前から並んでるお客さんがいらっしゃるとのこと。この日も、半ば無理矢理抜けだして来てくださったようだ。テレビの反響って恐ろしい・・、もうテレビはええわ、とおっしゃってた。

小さいバンだから商品数は限られているのかなと思ってたら、実にスペースを有効に活用してあって、30種類ほどのパンが並ぶ。
シェフは元々がビゴの店ご出身で、現在もどちらかというと小売業よりもレストランなどへの卸が本業のパン屋さんなので、 パンのラインナップはフランス・ハード系、そして食事パン系が多い。凝ったパンはほとんどない。パウンドケーキも並んでおり、これも美味しそうだった。

・バゲット

3種類のバゲットがあるうちの、最も定番のバゲット。
プライスカードには、確か「ビゴの店の教えを忠実再現」的なことを書いてあったと記憶しているのだが、まさにビゴの店の味に近い。
薄めのクラストは柔らかく、しっとり感を伴う。クープの開きは均一で美しい。スライスすると大小不均一な気泡形成が見事なクラムで、ふんわり、しっとり。
味もビゴの店と近く、美味しいんだけど、決してパンの主張が強くない。塩加減も控えめ。パンだけを楽しむというよりは、食事の引き立て役に徹している印象。名脇役的ないぶし銀の味わいといえばよかろうか。
リベイクするときはかならず霧吹きを使うか、加熱時間を短くしないと、容易にパリパリになってしまうので要注意だ。(1回うっかり失敗した)

・クロワッサン

個人的嗜好で、欲を言えば、表面のサクサク感、パリっと感がもう少しほしいが、中の層形成の美しさは文句なく素晴らしい。バターの香りが比較的しっかり感じられ、ほのかに甘い。試していないが、リベイクしたら表面がパリっとしてなおさら美味しいだろうと思う。

・くるみのリュスティック 
ライ麦混タイプのやや茶色がかったリュスティック。サイズも15cm角ほどあってわりと大きめ。やはり表面はわずかにしっとり。中はふんわり。
ライ麦の風味が、パンの味に奥行きを出している。やはり塩分は控えめで、脇役的な立ち位置。くるみの量はほどよいぐらい。

・角食パン
食パンも数種類あったけど、自分が評価軸においている角食パンをチョイス。
かなり重量感のあるぎゅっと目の詰まった生地で、ミルキーな甘い芳香がほんのり鼻腔をくすぐる。 見た目通り、ふっわふわではなく、ムニュムニュという弾力を感じる。
トーストすると表面の細かい目がカリカリッと焼きあがる。
イメージとしては喫茶店やホテルで食べるモーニングに出てきそうなパン。

・パン・オ・レ
牛乳をたっぷりと練りこんだ小振りなパン。かなりソフトでしっとり、ふっくらした食感。勝手にかなり甘いんだろうと想像してたのだけど、肩透かしをくらったと感じたほど、素朴な味。ミルクの柔らかな風味のみの味わい。

このお店の出自を考えると当然なのだが、どのパンも、パン自体だけだとどこか物足りなさを感じる。味のレベルは比べるまでもないのだが、大手製パンメーカーが販売しているようなパンに近い部分があるように感じた。
あくまで「脇役」と貫き、自分は一歩下がって華を添える。そういう奥ゆかしさのあるパンたちだ。厳選したバターやジャム、料理と共にいただくことで、一気に魅力が倍増しそう。

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