Pages

  • RSS Feed

2014年1月4日土曜日

「産後クライシス」内田 明香、坪井 健人 著

0 コメント
 
「産後クライシス」
この言葉を聞いてピンと来る人はどれぐらいいるのだろう?
出産前までは円満であった夫婦関係が、出産を境に一変。互いへの愛情が急激に失われ、最悪離婚にまで至ってしまうという現象。それを著者らNHK取材班は「産後クライシス」と名付け、朝の番組で報道した。
その反響は予想をはるかに上回るもので、この問題が現代日本、いや現代の先進国に共通の普遍的問題であることがわかったという。

本書では、上述のようにまず「産後クライシス」という言葉の定義から始まり、この問題の根深さ、深刻さをデータや実例を交えて解説して行く。実例を読んで行くと「あー、当てはまる」「身に覚えあるよ」っていうことばかり。

さらにはその発生メカニズムにも切り込んで行く。産後クライシスの原因で最たるものは、産後の女性の変化に男性が気づかないことであるとしている。肉体的にも、精神的にも、環境的にも、あらゆる面で産後の女性はそれまでの自分ではいられない。その変化に男性はなかなか気付けないし、受け入れられていないのだ。

こうした概論的な内容のみに終始せず、問題の解決に向けての提言まで盛り込んでいるのが白眉である。
しかも、当事者たる夫、妻それぞれへのアドバイスに十分な紙幅を割いており、内容も非常に的を得たものだと思えた。
さらには、最終章ではこうした問題を社会全体がどのようにして解決して行くべきかという点にまで踏み込んでいる。

既婚、未婚を問わず、こどもを持たない全ての男性必読の一冊であると思う。
もちろん自分のようにこどもを持っている男性でも遅くないと思うのですぐに読むべきであろう。
(009)産後クライシス (ポプラ新書)
内田 明香 坪井 健人
ポプラ社
売り上げランキング: 4,133

0 件のコメント:

コメントを投稿

 
© 2012. Design by Main-Blogger - Blogger Template and Blogging Stuff