「習うより慣れろ」という言葉があるが、本当に正しいのだろうか?
自分自身の感覚だけで、自分の全容を正確に把握することはおそらく不可能だろう。第3者の視点から現状を評価してもらいたい。
そんな思いに駆られて、去る1月12日、グランフロント大阪にあるアシックスランニングラボで「ランニング能力測定」を受けて来た。
このサービスは、アシックスがシューズ開発に際してトップアスリートを含む無数のランナーから集積した膨大なデータを元に、運動能力の測定とその解析を行ってくれるサービス。
存在そのものは以前から知ってはいたのだが、西神戸にあるラボまで足を運ばねばならないのと、何よりも費用面がネックとなっていた。ちなみに費用は21000円と正直言ってかなり高い・・・。
最近、結構マジメにランニングへ取り組んでいるにも関わらず、自分の中でのブレイクスルーが訪れず、むしろ壁のようなものを感じていたので、独学でのトレーニングは限界だろうと判断して、思い切って受けてみることにした。わざわざ西神戸まで行かずとも、グランフロントで気軽に受けられるようになったことも大きい。
アシックスのHPからネットで予約を取るのだが、併せて、当日チェックしてほしいこと・気になっていること、練習内容、ランニング歴といった情報を事前に入力しておかねばならない。
自分の場合、課題として以下の様なことを挙げておいた。
- シューズの片減りが気になる。拇指球への体重移動が上手くできていないのではないか?
- 着地点が重心より前寄りになってしまい、体重を乗せていくような走りができていない気がする
- 1kmなどの短距離インターバルでの絶対スピード不足
さて、これらの課題への解は得られたのだろうか?
アシックスストア大阪はグランフロント北館ナレッジキャピタルにある。そのストア内の中央に位置するのが、アシックスランニングラボである。
総ガラス張りで、走ってる姿が店内から丸見えか?と心配したが、測定中はシェードが下ろされていた(笑)
予約時間10分前に到着し来訪を告げると、担当者の方が内部へ案内してくれた。
着替えを済ませたら、測定内容の概略の説明が始まる。測定してくれるのは次の4項目。
1. 体組成測定、アライメント測定、足形測定
2. 筋力測定
3. 持久能力測定
4. ランニングフォーム解析
3と4はトレッドミルを走りながら同時に測定する。
まずは最初の体組成から。タニタ製の大型体組成計で体重、体脂肪率を測る。
アライメントは、脚長差や足の角度などの骨格系の測定と、股・膝・足の各関節の可動域の測定を行う。
足形は、専用の暗箱に片足ずつ突っ込み、3Dスキャナで立体的な計測を行ってくれる。
次は、筋力測定である。
等速性筋力測定器という機器を用いて、膝関節の伸展筋力と屈曲筋力をそれぞれ測定する。椅子に座って、アームを蹴り上げ、蹴り下ろして筋力を測定し、単純に最大筋力が分かるだけでなく、どの角度で最大の力が得られているかということも分かる。また、得られた筋力(Torque)にアームの速度(Velocity)を乗じれば、自転車でお馴染みの出力(Power, Watt)を得ることもできる。
まあ、実際やってみると、これがなかなかシンドイ。片脚ずつ伸展・屈曲を3回×2セットするのだが、呼気に合わせて力を入れないと、バルサルバ反射でマジで意識が遠のきそうになる。
自分の場合、伸展筋力がかなり強い反面、屈曲が並以下であった。また、左右差も平均値上限の10%ほど見られた。(右>左)
膝関節の屈曲、つまりはハムストリングスが弱いというのは自転車をやってる時から感じていた自分の弱点なので、改めて数値化で浮き彫りにされた形だ。
小休止を挟んで、いよいよトレッドミルでのランニング。
自分の前・後、右横、天井の計4つのカメラでランニングフォームを撮影してもらえる。また、顔には口と鼻を覆うマスク(ジョジョ第2部で波紋の呼吸法を身につけるために装着したマスクを連想してほしい)を装着する。このマスクには呼気中のガス(O2とCO2)を計測するセンサーを接続する。
10分ほどのWUのあと、本番開始。時速10km/h(6:00/km)のスローペースから走り始め、1分毎に時速0.5km/hずつ速度が上がっていく。もちろん最初は楽勝なのだが、時速15kmを過ぎたあたりから徐々にしんどくなっていく。結局、時速17.5km/h(3:25/km)でギブアップしてしまったが、後々になって考えると限界の1歩手前だった感覚で、もう1~2段階はガンバレたなあと悔いている。
滝のように噴出する汗を拭い着替えを済ませたら、簡単な後評と座学に移る。
詳細なレポートは後日作成され、PDFでラボのHPからダウンロードする形になる。
座学の内容としては、メインはAT域とペース配分の説明、それを向上させるためのトレーニング方法(強度設定や練習間隔)といった比較的初歩的なものがメイン。アシックスが出しているトレーニング本を参照すればほぼ同じ内容が記載されている。
島田 佳久
永岡書店
売り上げランキング: 139,573
自分の場合、膝関節屈曲筋、すなわちハムストリングスがかなり弱く、また柔軟性も低くなっていたため、これらの点を改善するための筋トレとストレッチの指導もしていただいた。
通しで2時間半強を要したが、密度が濃くてあっという間であった。
ちなみに、帰りにランニングフォームを撮影したDVDがおみやげとしてもらえる。
さて、次回は実際に送られてきたPDFレポートがどういうものであったのかを披露する。